
鹿肉は、犬にとって非常に栄養価が高い食品です。特に高タンパク質・低脂肪であることから、犬の肥満や筋力低下によるリスク防止が期待されています。
1. 高タンパク質・低脂肪
日本食品標準成分表やAAFCO(アメリカ飼料検査官協会)などの研究データによると、鹿肉は、牛肉や豚肉などと比較して、タンパク質含有量が高いことが示されています。タンパク質は筋肉の維持・発達、免疫機能のサポートに重要で、特にシニアになってからの筋力維持を支えてくれます。
2. 豊富なビタミンB群
鹿肉には、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB6、ビタミンB12(シアノコバラミン)など、ビタミンB群が豊富に含まれています。これらのビタミンが、犬の健康維持に重要な役割を果たしていることがわかっています。
3. 鉄分が豊富
鹿肉はヘム鉄を豊富に含んでいます。犬が1日に必要とする鉄分の量は、成犬体重1キログラム当たり1.32~1.4㎎。ヘム鉄は、犬の貧血予防や全身への酸素供給を助けてくれます。
4. アレルギーのリスクが低い可能性
牛肉や鶏肉などと比べて、鹿肉は犬のアレルギー反応を引き起こしにくいと考えられています。食物アレルギーを持つ犬に対する除去食試験では、鹿肉が代替タンパク質源として用いられることもあります。ただし、アレルギーを持つすべての犬に適しているわけではなく、個体差があります。
5. 自然な栄養バランス
野生で育った鹿は、多様な植物を食べて育っています。そのため、鹿肉には自然な栄養バランスが含まれていると考えられています。
【鹿肉食品を犬に与える際の注意点】
・すべての犬に鹿肉が適しているわけではありません。消化器系の弱い犬や、特定の疾患を持つ犬などに与える場合は、必ず事前に獣医師に相談してから与えてください。
・犬の健康を正しく維持するためには、他の栄養素もバランス良く摂取する必要があります。鹿肉のみを与えるのではなく、総合的な栄養バランスを考慮した食事にしてください。
・鹿肉を過剰摂取すると、個体によっては食欲の低下や下痢を引き起こすことがあります。その場合はすみやかに使用を中断し、獣医師に相談してください。